004: 音が美しくない

艶のある音質に憧れます。尺八らしい、芯のある、美しい音を出すにはどうすればよいのですか。
(東京都・Kさん・22才女性)

まず、楽器の問題を疑ってください。

あなたの楽器をきちんと吹ける人に吹いてもらってみて、きちんとした音が出ることを、確認してください。

音に芯を通す上で重要なのは、「唇と唄口との距離と角度」です。

初学時にたまたま良く出たポイントをつかまえて、そのまま固めてしまった方は「唇と唄口との距離」「息を吐き出す角度」「アゴ当たりの位置」のどれかを、どこかに10%傾けるだけで、劇的に音が変化する可能性があります。

例えば、「唇を唄口に、あと0.5mm近づけてみる」「息の角度を上向きに1度ずらしてみる」「アゴ当たりを、1mm下にずらしてみる」など、(挙げた数字は適当ですが、これが「10%傾ける」という表現の狙ったニュアンスです)これらの試行錯誤を、日常的に行っていると、ある日いいことが起きるかも知れません。

筆者が以前、実際に行っていたのですが、「日記」をつける方法があります。

日記といっても、普段吹いている楽譜にフセン紙をぺたんと貼り付けるだけです。

「息上向き、舌弱め」など、自分にだけ通じる内容で、うまくいった内容を、次に吹くときに忘れずまた試せるように書き記していました。

(今でもたまに当時の残骸が発掘されます。完璧に意味不明な落書きですが)

これに艶のある、張りのある、密度の高い音を、となると、要点としては、息への圧力をどこの筋肉でかけているか、唄口で発生した空気振動をどこで共鳴させているか、です。
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