結構練習時間を多くとっているのですが、どうもうまくなっている実感がわきません。こんなものなのでしょうか。
ところで、スポーツ選手と楽器演奏者、どっちが大変だと思いますか?
スポーツ選手というと毎日走ったり飛び回ったりのトレーニングが大変というイメージがありますが、使う筋肉の部位が異なるだけで、実は楽器演奏者も同じなのです。
一流になるためには過酷な筋力トレーニングを日常の生活に組み込んでいくことが要求されます。
尺八も楽器である以上、尺八の演奏には、筋力的な鍛錬が必須です。
なんとなくの演奏はなんとなくで可能でも、それ以上の、例えば聴衆に影響を与えるような「本物」の演奏を実現するには、まず肉体的な強靭さが前提となります。
筋力的なトレーニングをしなければ、その人の演奏能力は初学時から進歩しないままの可能性があります。
(筋力といっても、腕立て腹筋のような外向的運動能力のための筋肉ではなく、尺八演奏に必要な、尺八用の筋肉です)
ズバリ、「つらいトレーニング」を始めてください。
いえ、別に特段つらくなくてもよいのですが、ピアノだって、フルートだって、世の中の全ての楽器演奏者はこのトレーニングを日常的に当たり前に行っているのに、尺八だけ当たり前に無視している、そんな特殊性を持ちます、おそらく世界で唯一。
例えば長く息をのばす「ロングトーン」の訓練、指回しを鍛える訓練、タンギングの訓練など、音楽的に価値を持たない、機械的な訓練が重要です。
(これらは往々にして、あまり面白くありません)
(これらは本当はかなり面白いのですが、面白いことを知っている人にはこの話題は既に意味をもちません)
尺八をつないで楽譜を広げる前に、10分間のトレーニング時間を設ける習慣を、検討してください。
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