013: ピッチが合わない

ピッチが高い、とよくいわれますが、どうすることもできません。どうすればよいのですか。

ピッチとは、演奏上基準とする音程のことです。ヨンヨンニーとかよくきく、あれのことです。一秒間に1振動することを1ヘルツといい、振動数が多くなるほど音程は高くなります。一般的に、440から443ヘルツくらいが適用されます。

とかく管楽器において、吹き方によるピッチ調整はほとんど不可能です。少なくとも、筆者はそんな芸当持ち合わせていませんし、今後習得できる気もしませんし、しようという気もありません。

めって吹け、かって吹け、おさえて吹け、持ち上げて吹け。言うは易し、行うは不可能。

 

では、どうすればよいのか。

ズバリ、あきらめましょう。

製管師の方に調律し直してもらう以外、直接の解決策はありません。

尺八は、アナログなことを尊重する代償として、楽器として致命的な欠陥を抱えています。尺八奏者は、それをどうすることもできません。

(尺八自体をちょっと削ったり、少し手を加えればいい感じになるんじゃないかという気もしますが、シロウトがヤスリ片手に楽器をいじくると、使いものにならなくなる可能性がほぼ100%ですので悪しからず)

重要なのは、尺八奏者が、尺八のピッチは調節不可能だということを、しっかりと認識しておく、ということです。あきらめ、開き直ってはじめて、全体としてピッチが許容範囲内の演奏に持っていくにはどうすればよいかを、模索することが可能になります。

ピッチの調整はあきらめるべきですが、ピッチのずれていない演奏は、あきらめてはいけません。

それが、あなたが付き合おうとしている尺八という楽器なのです。

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