大勢で、一緒に演奏する機会が多いのですが、楽しくありません。これって、どうなのでしょうか。
邦楽器の魅力とは、音色と、呼吸の妙だと、思います。
言うなれば、邦楽器とは、独奏により最大の効果が発揮される楽器です。
よって、演奏の基本は一旋律一人であるべきだと思います。
それなのに、あえて群奏(一旋律を多人数で演奏すること)とする目的としては、以下の3つが考えられます。
・演奏者各個の技量が足りないとき
未熟練者が熟練者と共に演奏することで、自分の実力よりグレードの高い舞台において合奏が可能となります。
・単純に音量が足りないとき
原則的に、邦楽器用に作曲された曲目は、一パート一人で構成されるように作られています。これをどこかのパートが複数人で演奏しようとすると、全体の音量バランスが崩れ、他のパートも複数人揃えなければならなくなります。
・出演者数を稼ぎたいとき
出演機会は一曲なのに、出演させるべき演奏者が大勢だと、このパターンに陥ります。但し、概してこのタイプの舞台はセレモ二アルな性格が強く、要求される音楽性というか、舞台目的が特殊です。
(以上の3点、鑑賞者の立場ではなく、演奏者の都合で決定されているのに、お気づきですか。これが実は根本の問題点なのです)
群奏とは、頭数と音量の水増し行為であり、それはつまり、互いの個性の打ち消しあいに他なりません。 その成果物としての演奏は、最大公約数的な大雑把なものとなり、各個の解釈の違い、呼吸の齟齬、演奏技量のばらつきなどが次々に追い討ちをかけます。
面白い舞台をつくってください。
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