026: 粋(いき)な演奏ができない

粋な演奏は、どうすればできるようになるのでしょうか。

尺八の演奏者は、概して、こういう音楽を作ってやろうとする意識が希薄です。

楽譜どおりに指を動かしたらこんな音になった、というだけの場合が圧倒的です。

全然、駄目です。(汗)

考えて吹かないと、イキでない演奏がもれなく出来上がります。

意思を持って吹かないと、自分の音楽は表現できません。

イキな演奏の裏には、「イキな演奏を作ってやるんだ」という執念のカタマリが必ず存在します。

 

しかしそうはいっても、では、具体的にはどうすればよいのか。

まず、楽譜を、ハナウタで歌ってください。

ハナウタとは、音楽の最も重要な要素を含んでいます。

ハナウタは、ゴッキゲンでルンルンな状態です。

そう、それです、そこなんです。それが音楽として最も重要です。

 

いえ、地味ーな曲の楽譜をルンルンで歌え、とはいいませんが、素直な感情の表出としてのハナウタは、楽譜を読むときに大変な効果を発揮します。

自分の頭の中と空気振動が直結している状態が究極の理想ですが、尺八という楽器でそれを実現するためには、かなりの努力が必要です。(それができれば、こんなの読んでないですってば)

だから、それができないから、ハナウタの恩恵にあずかるわけです。

ハナウタを歌えば、かなり簡単に自分の頭の中を外に出すことができます。

まず外に出してみて、さて、これでいいだろうか、どうなんだろうか、というところを徹底的に考えて、試行錯誤を行ってください。

そこにあるのは、演奏に対するこだわり、執念です。

それができないうちに、楽器を持ってはいけません。 「イキでない演奏」への片道切符です。

 

演奏者自身が脳内ドーパミン大放出状態で、はじめてそれを聴いている人が面白いと思えます。

面白い音楽の設計図を、きちんと作ってみてください。

 

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Comments

“026: 粋(いき)な演奏ができない” への2件のフィードバック

  1. ただ吹いてるだけでなく、大きく吹くところ押さえて吹くところを
    考えて吹いてみてと言われるようになりました。
    これも‘粋’な演奏へつながるのでしょうか。

  2. 佐藤凜童のアバター
    佐藤凜童

    大きく吹く、抑えて吹くということは、単に音量の加減だけではないことをご承知おきください。参考となる記事を、上達塾049として掲載いたしましたのでご参照ください。