尺八を振ったり体を動かしてリズムをとることは、よいのでしょうか。(東京都・Yさん・32才男性)
リズムに合わせて体を動かすことについて、今までにそうした意識がない人は、是非、試しに動かしてみてください。
尺八吹きはリズム感がありません。
何故かというと、正座するからです。
リズムに合わせて体を動かすことは、音楽をする上で自然であり、重要であり、不可欠です。
それなのに、尺八は、正座したまま体をピクリとも動かしません。
これじゃあ、面白い音楽なんて生まれるはずがありません。
基本的に、体はどんどん動かしましょう。立って吹くと、体の動きが一番自由になります。お試しあれ。
しかし、例えば、古典の舞台で派手に体を動かすことは場にそぐわないかもしれませんし、全体としての指揮者がいる場合なども、一人で体を動かしていることは好ましくありません。
重要なことは、自然な行為とはいえ、体を動かすことは、意識的に行うことです。
自分で体の動きをコントロールしてください。
自分で体の動きをコントロールしてください。
イン・テンポでメトロノームが頭の中でカチカチ鳴っている状態、理性的にコントロールできている状態。
このような状態にあると、体を動かさなくても済みます。いえ、本当はどこか動かしているのです。ある有名な歌手は、呼吸が全てリズムの中で推移するといいます。体をぶんぶん振る必要はないのです。ポイントをおさえて、人知れず体を動かしている、多くの熟練者は知らず知らずのうちにそうしているように思えます。
音楽は感性ですが、理性的なコントロール下での感性でなければなりません。
また、これに対し、テンポをきちんと刻む目的のためだけに体を動かす場合、例えば左右の足をぺたんぺたん交互に動かしたり、尺八の管尻を上下に振ったり、これはいけません。
尺八の楽譜を読むのがまだ不慣れというような状態ならともかく、リズムを刻むことを目的とする体の動きは、音楽の流れを束縛する効果しかなく、そこからは一辺倒なのっぺり音楽しか生まれません。リズムを刻むためだけの音楽です。自分の音楽がコントロールできていない証拠です。
まず、メトロノームと一緒に、慣れていくところから始めましょう。
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