出版されている楽譜とCD(プロ演奏録音)が違うのですが、楽譜が間違っているのでしょうか。(東京都・Yさん・32才男性)
ここでのお話は、古典以外に限定して進めます。
古典は流派や会派などにより派生分岐が無数に存在するので、正解を特定しようとするだけ無意味です。
楽譜が間違っているパターンの多くは、五線譜から縦譜へ変換した担当者のミスです。
担当者の凡ミス・思い違いや音楽的素養の欠如、はたまた或いは尺八ならこう吹くべきだ!という思い上がり等から様々な角度の摩擦が発生し、原曲と別モノの旋律が出来上がるパターンです。
楽譜が間違っている可能性は低くありません。不審な点は、是非信頼のおける方に尋ねてみましょう。
楽譜の問題以外では、演奏者が意図的に楽譜通りに吹いていない可能性があります。
そこが実は、聴きどころなのです。
演奏者が自身の引き出しからどんなとんでもない飛び道具を引っ張り出してきて、ここぞとばかりに発射しているのか、最高にわくわくする瞬間です。
判断するのは、あなた自身です。
楽譜と違っていようが何だろうが、あなたがイイ!と思えばその演奏は正解だし、だめだこりゃと思えばその演奏は間違いです。
(演奏者が勝手に原曲を改変するのも「思い上がり」なのでは、と思われるかも知れませんが、著作権のついた公刊譜の筆耕者と、CDの一演奏者では、背負っている役割がまるで違います。)
楽曲は作曲者のものではなく、演奏者のものです。
意思のある演奏を、しっかりと聴いてください。
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