とても調子のよい日と、泣きたいくらいに尺八が鳴ってくれない日があります。調子が悪いときの対処方法はないでしょうか。
調子が悪い日は、ストレスがたまるだけですので、尺八のことは忘れて、他のことをしましょう。
と言って済ませたいところですが、例えば演奏会の当日などにこれが当たってしまうと、吹かないわけにはいきません。以下、対処方法を挙げます。
1.体内の呼吸筋が未活動の状態にある場合が考えられます。上達塾012:
長時間吹き続けると、音が鳴らなくなるを参照して、呼吸筋を戦闘態勢に整えてください。
2.唇の粘膜の状態がいつもと違う場合が考えられます。食事をしてみましょう。歯を磨いてみましょう。
3.アゴ当たりの筋肉の緊張状態がいつもと違う場合が考えられます。
乙のレ、チなどの音にアクセントをつけてポンと吹いたとき、いつも通りに鳴っているかを確認してください。ポイントがずれていても、甲の音などは、調子が悪いなりにもそれなりに鳴ってしまうものですが、こうした音はまず鳴りません。乙のロも同様に深刻な影響を受けているはずです。
まず、普段、アクセントをつけた乙のレ、チなどの音が、自分はどの程度鳴らせるのかを確認しておきましょう。スタッカート気味に、息の圧力を高めてポン、と吹きます。
いつもより調子が悪いと感じるときは、このアクセントをつけた乙のレ、チがいつも通りに鳴るポイントを探しましょう。
特にアゴ当たり、歌口と唇との位置関係が重要です。尺八を当てる位置なんて、毎度のことで当たり前に同じと考えがちですが、実は結構、ずれているものです。右手(下管を持つ手)で上管の中央部を持って吹くと、位置の微調整が容易です。
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Comments
“047:調子の悪い日の対処法” への2件のフィードバック
長年尺八を練習してきましたが、最近壁にぶつかって困っています。
息の通り具合なのですが、息が下唇にあたり管内で下唇を膨らませてしま
います。当然下唇が震えて、ビブラートをかけたような、スッキリしない
汚い音になります。下唇を脱力するといくらか改善するのですが、そのまま
では満足な音になりません。息が下唇にぶつかり、そこを膨らませる症状
はどうやって修正したらよいでしょうか?吹きはじめなどの時、この症状
が起こり、呼吸が安定してくると、唇を意識しない状態になってきて、
いくらか症状が良くなってくることもあります。受け口タイプの下唇の処理の方法がありましたらお教えいただければ、大変有り難いです。
実際の演奏状態を拝見しないままの危うさを承知の上で申し上げます。
http://blog.office-rindo.com/article/600664.html
「上達塾025: 唇の形がみんなと違う」の内容を参照してみてください。演奏中、唇は柔らかく保つべきですが、それは唇の中心部の話であって、両端はある程度の緊張が必須です。(管楽器奏者の演奏中の口元はしばしば「アルカイック・スマイル」に例えられます)
あとは、アンブシュア(唇の開け幅)が大き過ぎることが可能性として考えられます。尺八のリードとして必要十分な息の束というものは、実は非常に細く薄いもので、余分な息が吐き出されようとしていると、唇が安定しない状態となるかも知れません。
いずれにせよ、骨格構造は人それぞれで各個の状態を実際に確かめながら、個別個別に問題の解消を検討していく必要があります。以上の提案で改善がみられればよいのですが。